FP3級 2019年9月 実技(金財:個人)問12

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問12

事業用定期借地権方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 「事業用定期借地権方式は、Y社が建設資金をAさんに貸し付け、Aさんがこの資金を利用してホテルを建設し、その建物をY社に賃貸する手法です。建設資金は、Y社からの賃料の一部で返済するため、実質的には、Aさんの資金負担はありません」
  2. 「存続期間が30年以上50年未満の事業用定期借地権は、40年の期間満了時点で契約が自動更新されますので、契約を終了する場合は、期間満了の1年前から6カ月前までの間にY社に対して更新しない旨の通知をしなければなりません」
  3. 「事業用定期借地権方式のメリットとして、土地を手放さずに安定した地代収入を得ることができること、期間満了後は土地が更地となって返還される点などが挙げられます」

正解 3

分野

科目:E.不動産
細目:2.不動産の取引

解説

  1. 不適切。定期借地権方式は、定期借地権を設定して土地を貸し、賃貸料を受け取る土地活用方式です。建物はデベロッパーが建築します。本肢は「Y社が建設資金をAさんに貸し付け、Aさんがこの資金を利用してホテルを建設」としているため誤りです。
  2. 不適切。定期借地権では期間満了と同時に契約が終了し、自動更新は行われません(再契約は可能)。よって、記述は誤りです。また、期間1年以上の定期借家契約では終了の期間満了の1年前から6カ月前までに賃貸人から賃借人に対して更新しない旨を通知しなければなりませんが、定期借地契約ではこのような義務はありません。
  3. [適切]。定期借地権等方式では、土地の所有権を保有したまま長期間にわたり賃貸料を得られます。事業用定期借地権等では特約で建物買取請求権を排除できるので、期間満了後は借主の原状回復義務により更地で返還されることとなります。
したがって適切な記述は[3]です。