FP3級 2019年9月 実技(金財:個人)問4
問4
はじめに、Mさんは、X社株式の投資指標について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。- 「<X社に関する資料>から算出されるX社のPER(株価収益率)は、11.20倍となります。一般に、PERが高いほうが株価は割高、低いほうが株価は割安と判断されます」
- 「<X社に関する資料>から算出されるX社のPBR(株価純資産倍率)は、1.40倍となります。一般に、PBRが高いほうが株価は割安、低いほうが株価は割高と判断されます」
- 「一般に、PERの高い銘柄は今後の高い利益成長が期待されているとも考えられます。なお、PERやPBR等の投資指標の数値のみで株価の割高・割安を判断することは、必ずしも適切ではない場合があることをご理解ください」
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正解 2
分野
科目:C.金融資産運用細目:5.株式投資
解説
- 適切。PER(株価収益率)は、株価が1株当たりの純利益の何倍であるかを表す指標で、低い値であるほど割安と判断されます。PERの算出式は以下の通りです。
PER(倍)=株価÷1株当たりの純利益
設問の条件では、当期純利益が300億円、発行済株式数が8,000万株、株価が4,200円なので、
1株当たり純利益=300億円÷8,000万株=375円
PER=4,200円÷375円=11.2倍 - [不適切]。PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たりの純資産の何倍であるかを表す指標です。PERと同様に値が低いほど割安と評価されます。本肢は「PBRが高いほうが株価は割安」としているため誤りです。
なお、X社のPBRは正しい値です。
1株当たり純資産=2,400億円÷8,000万株=3,000円
PBR=4,200円÷3,000円=1.4倍 - 適切。PERやPBRはあくまでも投資指標の1つであるため、それだけで割安度合いを判断することは適切ではありません。
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