FP3級 2018年5月 実技(金財:保険)問8

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問8

X社(Aさん)は、《設例》の<資料1>の長期平準定期保険への加入を検討している。<資料1>の長期平準定期保険を下記<条件>にて解約した場合の経理処理(仕訳)として、次のうち最も適切なものはどれか。

<条件>
  • Aさんが65歳時に解約することとし、解約返戻金の額は5,100万円である。
  • X社が解約時までに支払った保険料の総額は5,500万円である。
  • 配当等、上記以外の条件は考慮しないものとする。
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正解 1

分野

科目:B.リスク管理
細目:3.生命保険

解説

解約時期は保険期間の前半6割部分に位置するので、それまでの期間は支払保険料の2分の1を「前払保険料」として資産計上、残りの2分の1を「定期保険料」として損金算入することになります。

65歳時点で資産計上されている金額は、支払保険料の半分に相当する以下の金額になります。

 5,500万円×1/2=2,750万円

解約返戻金を受けとった際の経理処理は、まず受け取った解約返戻金を借方に、前払保険料の全額を貸方に計上します(資産を取り崩す)。そして2つの金額の差額を雑収入または雑損失として計上します。この事例では、前払保険料よりも解約返戻金が多いので、差額である2,350万円を雑収入として貸方に計上することになります。

したがって[1]の仕訳が適切です。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた仕訳が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。