FP3級 2016年9月 実技(金財:保険)問5

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問5

次に、Mさんは、必要保障額の考え方についてアドバイスした。MさんのAさんに対するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
  1. 「必要保障額を大きく左右する項目として、住居費用が挙げられます。仮に、Aさんが住宅ローン(団体信用生命保険加入)を利用して自宅を購入した後に死亡した場合、住宅ローン債務は団体信用生命保険の死亡保険金により弁済されるため、住宅ローンの残債務を遺族に必要な生活資金等の総額に含める必要はありません」
  2. 「遺族の収入見込金額を計算する際は、遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額を把握する必要があります。仮に、Aさんの死亡後に妻Bさんが就業し、少しでも収入を得ると、遺族基礎年金は支給停止となりますので注意してください」
  3. 「教育費は長男Cさんの進路希望等により大きく変わります。特に、大学進学をする場合、国公立と私立、自宅と下宿などの違いにより、学費等に大きな差異が生じます。教育費の概算額は、文部科学省等の統計データや各生命保険会社の資料等で確認することができますので、参考にしてみるとよいと思います」

正解 2

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:3.ライフプランニングの考え方・手法

解説

  1. 適切。住宅ローンを契約する際には、団体信用生命保険に加入することを条件にしている金融機関が多く、債務返済者が死亡したときには、残りの住宅ローンは当該保険の死亡保険金で相殺されます。
    この場合、遺された家族が住宅ローン債務を負担することはないため、住宅費用は必要な生活資金には含めません
  2. [不適切]。遺族基礎年金と遺族厚生年金は、国民年金/厚生年金の加入者が死亡した際に、受給しようとする遺族の前年の年収が850万円(または所得655.5万円)未満であることが支給要件になっています。受給権の確定後に、遺族給付を受け取る人の収入額が基準額を超えたとしても、そのことによって減額や停止されるということはありません。同様に、死亡時に受給対象外ならば、その後収入が基準額以下になったとしても遺族給付の受給権を得ることはできません。
    したがって、Aさんの死亡後に妻Bさんが就業し収入を得ても、遺族給付の一部または全部が支給停止となることはありません。
  3. 適切。教育費には個人差があり、進路希望により教育資金は大きく変わります。進路先によって必要保障額も大きく変化する可能性があるので、希望進路に応じて生命保険を見直すことも大切です。
したがって不適切な記述は[2]です。