FP3級 2023年9月 実技(金財:個人)問7

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問7

所得税における青色申告制度に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
  1. 「事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高()万円を控除することができます。()万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することに加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う必要があります。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高()万円となります」
  2. 「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、棚卸資産の評価について()を選択することができることなどが挙げられます」
  1. ① 55  ② 10  ③ 低価法
  2. ① 65  ② 10  ③ 低価法
  3. ① 65  ② 55  ③ 定額法

正解 2

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:7.所得税の申告と納付

解説

〔①について〕
不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者は、正規の簿記の原則に従って作成された決算書(貸借対照表と損益計算書)を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出すれば、青色申告特別控除として最高65万円を所得から控除することができます。65万円の控除を受けるには①仕訳帳及び総勘定元帳の電子帳簿保存、または②e-Taxでの申告のいずれかが必要で、この要件を満たさない場合には最高55万円の控除となります。

〔②について〕
最高65万円の青色申告特別控除を受けるための要件として「貸借対照表と損益計算書を添えて法定申告期限内に確定申告書を提出すること」があります。期限後に提出した場合にはこの要件を満たさないため、青色申告特別控除額は最大で10万円となります。
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〔③について〕
白色申告(青色申告でない)の場合、棚卸資産の原則的評価方法は最終仕入原価法で、あらかじめ税務署に届け出ていれば、先入先出法、総平均法、売上還元法を選択できます。青色申告者は上記に加えて低価法を選択することができます。
【参考】低価法とは、原価法による取得価額と年末時点での時価を比較して、いずれか安い方を棚卸資産評価額とする方法です。売上原価は「期首在庫評価額+期中仕入高-期末在庫評価額」で求めるので、棚卸資産の評価額が低くなれば売上原価が高くなり、利益が圧縮できるというわけです。

したがって、①65、②10、③低下 となる[2]の組合せが適切です。