FP3級 2023年5月 実技(金財:個人)問9
問9
Aさんの2023年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 「Aさんは、所得税の確定申告をすることで、上場株式の譲渡損失の金額を前年に繰り戻し、前年分の所得に対する所得税額の還付を受けることができます」
- 「Aさんは、総所得金額に算入される一時所得の金額が20万円を超えるため、所得税の確定申告をしなければなりません」
- 「Aさんは、ふるさと納税に係る寄附金控除について、年末調整では適用を受けることができませんので、所得税の確定申告が必要となります」
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正解 3
分野
科目:D.タックスプランニング細目:7.所得税の申告と納付
解説
- 不適切。上場株式の譲渡損失が生じた場合、その損失を翌年以降3年繰り越して上場株式の譲渡所得・配当所得から控除することができます。しかし、前年の所得に繰り戻して税額の還付を受けることはできません。
- 不適切。給与所得以外の所得の合計が20万円を超える人は、確定申告の義務者となります。
一時所得については以下の式で計算し、計算された一時所得の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。一時所得の金額は「330万円-300万円-50万円=▲20万円 ⇒ 0円」なので、総所得金額に算入される一時所得の金額も0円です。よって、Aさんは確定申告の義務者には該当しません。 - [適切]。医療費控除・寄附金控除・雑損控除の3つの所得控除については年末調整での適用を受けることができないので、会社員等であっても確定申告をして適用を受けることになります。ふるさと納税については年間の寄付先が5以下であれば、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用して、寄付先に申請することにより適用を受けられます。しかし、Aさんは10の地方自治体に寄付を行っているので、ふるさと納税ワンストップ制度の利用はできません。
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