FP3級 2023年1月 実技(金財:個人)問12

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問12

X社が提案する事業用定期借地権方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 「事業用定期借地権方式とは、X社が甲土地を一定期間賃借し、X社が店舗を建設する手法です。Aさんは、店舗の建設資金を負担することなく、安定した地代収入を得ることができます」
  2. 「事業用定期借地権について、契約期間満了時にX社から契約の更新の請求があった場合、Aさんは、正当な事由がない限り、この請求を拒絶することができません。甲土地の利用状況が長期間にわたり固定化されるというデメリットがあります」
  3. 「地代の改定方法や契約期間中に中途解約する場合の取扱いなど、契約内容を事前に精査しておく必要があります。事業用定期借地権の設定契約は、必ずしも公正証書による必要はありませんが、書面により作成する必要があります」

正解 1

分野

科目:E.不動産
細目:2.不動産の取引

解説

  1. [適切]。事業用定期借地権方式は、10年以上50年未満の期間を定めて事業者に土地を貸し、土地の賃料を受け取る方法です。建物は事業者が建築するので、土地所有者が建設資金を負担することはありません。
  2. 不適切。定期借地権は、契約の更新がなく、契約で定めた期間の満了をもって終了するタイプの借地権です。普通借地権のように借主の請求による更新はないので、契約期間が終了すれば土地は必ず返還されます。
  3. 不適切。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書でしなければなりません。公正証書に限定しているのは、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。
したがって適切な記述は[1]です。