FP3級 2022年9月 実技(金財:個人)問4

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問4

はじめに、Mさんは、<X社に関する資料>から算出されるX社株式の投資指標について説明した。MさんのAさんおよび長男Cさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
  1. 「X社株式のPERは15倍です。一般に、PERが高いほど株価は割高、低いほど株価は割安と判断されます」
  2. 「X社のROEは8%です。一般に、ROEが低い会社ほど、資産の効率的な活用がなされていると考えることができます」
  3. 「X社の配当性向は2%です。一般に、配当性向が高いほど、株主への利益還元の度合いが高いと考えることができます」

正解 1

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

  1. [適切]。PERは「株価÷1株当たり純利益」で計算します。
    X社株式の株価は1,800円、1株当たり純利益は「120億円÷1億株=120円」なので、PERは「1,800円÷120円=15倍」。したがって記述は適切です。
  2. 不適切。ROE(Return On Equity:自己資本利益率)は、自己資本に対する当期純利益の割合を示す指標です。一般に、ROEが高い会社ほど、資産の効率的な活用がなされていると考えることができます。本肢は「低いほど効率的」と説明しているので誤りです。
    なお、X社の当期純利益は120億円、自己資本(純資産)は1,500億円ですので、ROEが「20億円÷1,500億円×100=8%」という記述は合っています。
  3. 不適切。配当性向は、ある企業がその期の純利益(税引後当期純利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかの割合を表す指標で「年間配当金÷当期純利益×100」で計算します。
    X社の年間配当金総額は36億円、当期純利益は120億円なので、配当性向は「36億円÷120億円×100=30%」。したがって記述は誤りです。
    ちなみに、本肢の"2%"は配当利回り(36円÷1,800円×100=2%)です。
したがって適切な記述は[1]です。