FP3級 2022年1月 実技(金財:個人)問15
問15
現時点(2024年1月23日)において、Aさんの相続が開始した場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 「Aさんの相続における相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は、4,200万円となります」
- 「妻Bさんが自宅の敷地と建物を相続し、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額8,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額は、1,600万円となります」
- 「妻Bさんが配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の額が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか少ない金額までであれば、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません」
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正解 3
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
- 適切。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式で求めます。この法定相続人の数には、相続放棄した者の数や加えられる養子数に条件があるのですが、本問ではどちらもいないためそのまま計算できます。
<設例>より法定相続人は、妻Bさん・長男Cさんの2人なので、Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×2人=4,200万円」です。 - 適切。被相続人の自宅の敷地は、一定の要件のもと「特定居住用宅地等」として「小規模宅地等の評価減の特例」の適用を受けることができます。「特定居住用宅地等」では評価額のうち330㎡までの部分について80%が減額されます。
自宅の敷地は300㎡(≦330㎡)なので、単純に評価額の80%が減額されることになります。減額分は「8,000万円×80%=6,400万円」なので、相続税の課税価格に算入される額は「8,000万円-6,400万円=1,600万円」となります。 - [不適切]。被相続人の配偶者については、その相続税の課税価格が、①配偶者の法定相続分相当額または②1億6,000万円のいずれか多い金額までは、納付税額が0(ゼロ)になる制度があります。これを「配偶者に対する相続税額の軽減」といいます。本肢は「いずれか少ない金額まで」としているので誤りです。
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