FP3級 2022年1月 実技(FP協会:資産設計)問5

問5

福岡さんはQS投資信託を新規募集時に1,000万口購入し、特定口座(源泉徴収口座)で保有して収益分配金を受け取っている。下記<資料>に基づき、福岡さんが保有するQS投資信託に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。

<資料>
[QS投資信託の商品概要(新規募集時)]
投資信託の分類:追加型/国内/株式/特殊型(ブル・ベア型)
決算および収益分配:毎年4月25日(休業日の場合には翌営業日)
申込価格:1口当たり1円
申込単位:1万口以上1口単位
基準価額:当ファンドにおいては、1万口当たりの価額で表示
購入時手数料:購入金額に対して1.6%(税込み)
運用管理費用(信託報酬):純資産総額に対し年0.8%(税込み)
信託財産留保額:1万口につき解約請求日の翌営業日の基準価額に0.3%を乗じた額

[福岡さんが保有するQS投資信託の収益分配金受取時の運用状況(1万口当たり)]
収益分配前の個別元本:9,400円
収益分配前の基準価額:10,000円
収益分配金:1,000円
収益分配後の基準価額:9,000円
  • 福岡さんが、QS投資信託を新規募集時に1,000万口購入した際に、支払った購入時手数料(税込み)は、()である。
  • 収益分配時に、福岡さんに支払われた収益分配金のうち600円(1万口当たり)は()である。
  1. (ア)240,000円 (イ)普通分配金
  2. (ア)160,000円 (イ)元本払戻金(特別分配金)
  3. (ア)160,000円 (イ)普通分配金

正解 3

分野

科目:C.金融資産運用
細目:3.投資信託

解説

〔(ア)について〕
購入時手数料は購入金額の1.6%です。1口当たり1円で1,000万口購入するので購入金額は1,000万円、購入時手数料は「1,000万円×1.6%=160,000円」です。
運用管理費用(信託報酬)は、投資信託を保有している間、具体的な運用を行う運用会社に対して支払う運用や管理の対価なので、購入時にはかかりません。

〔(イ)について〕
株式投資信託から支払われた収益分配金は、課税対象となる「普通分配金」と非課税の「元本払戻金(特別分配金)」に分かれ、その区別は個別元本と分配落ち後の基準価額の関係で決まります。具体的には、下図のように分配落ち後の基準価額に収益分配金を足したときに、個別の元本を上回る部分が「普通分配金」となり、それ以外の部分は「特別分配金」となります。
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設問のケースでは、個別元本が9,400円、収益分配金が1,000円、分配落ち後の基準価額が9,000円ですから、普通分配金は次のように算出されます。

 9,000円+1,000円-9,400円
=10,000円-9,400円=600円

また、元本払戻金(特別分配金)は収益分配金のうち普通分配金以外の部分なので「1,000円-600円=400円」です。よって、"600円"は普通分配金です。
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したがって[3]の組合せが正解です。