FP3級 2022年1月 実技(FP協会:資産設計)問4

問4

関根さんは上場株式への投資に興味をもち、FPの榎田さんに質問をした。下記の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
関根さん
株式会社による株主還元策について教えてください。
榎田さん
株式会社によっては、手元資金を使い自社の流通株式を買い戻す自社株買いを行う場合があります。自社株買いを行うと市場に出回る株数が減るため、株価に影響する他の要因を考慮しないと仮定した場合、1株当たりの価値は()すると考えられます。
関根さん
株式会社による株主への還元率を表す指標はないのでしょうか。
榎田さん
配当性向が挙げられます。配当性向とは、株式会社が稼いだ純利益のうち、株主へ配当した割合を表しています。純利益が同額で株主配当金が多ければ、配当性向は()なります。
関根さん
分かりました。ところで、ほかにはどのような株式投資によるメリットがありますか。
榎田さん
例えば、一定株数以上を保有する株主に対し、株式会社が自社製品や割引券、商品券などの特典等を贈る()が挙げられます。
  1. 空欄(ア)にあてはまる語句は、「減少」である。
  2. 空欄(イ)にあてはまる語句は、「高く」である。
  3. 空欄(ウ)にあてはまる語句は、「株主優待制度」である。

正解 1

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

  1. [不適切]。自社株買いとは、上場企業が自己資金を使って株式市場から自社の株式を買い戻すことを言います。1株当たりの価値(株価)は「企業価値÷流通している株式数」で決まるので、自社株買いにより流通株式総数が減少した分だけ、1株当たりの価値は増加します。また、株価上昇・1株当たり純利益の増加・自己資本利益率の向上などの効果があるので、自社株買いは株主への還元策としても用いられます。
  2. 適切。配当性向は、ある企業がその期の純利益(税引後当期純利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかの割合を表す指標で「年間配当金÷当期純利益×100」で求めます。純利益(分母)が同額で、年間配当金(分子)が増えれば、配当性向は高くなります。
  3. 適切。株主優待制度は、権利確定日に一定数以上の株式を保有している人が、企業から自社製品やサービスなどの特典を受け取れる制度です。
したがって不適切な記述は[1]です。