FP3級 2021年9月 実技(金財:個人)問14

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問14

Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
  1. 「Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、()万円です」
  2. 「妻Bさんが受け取った死亡退職金6,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、()万円です」
  3. 「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、その敷地の全部について、特定居住用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額5,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を()万円とすることができます」
  1. ① 4,200 ② 4,500 ③ 4,000
  2. ① 4,800 ② 1,500 ③ 4,000
  3. ① 4,800 ② 4,500 ③ 1,000

正解 3

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式で求めます。この法定相続人の数には、相続放棄した者の数や加えられる養子数に条件があるのですが、本問ではどちらもいないためそのまま計算できます。

法定相続人は3人なので、Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、

 3,000万円+600万円×3人=4,800万円

〔②について〕
相続税の課税価格を計算するにあたり、被相続人の死亡により支払われた死亡退職金や死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」で算出された額を限度として非課税財産となります。
法定相続人は3人なので非課税限度額は「500万円×3人=1,500万円」、これを死亡退職金から差し引いた「6,000万円-1,500万円=4,500万円」が相続税の課税価格に算入される額となります。

〔③について〕
被相続人の自宅の敷地は、一定の要件のもと「特定居住用宅地等」として「小規模宅地等の評価減の特例」の適用を受けることができます。「特定居住用宅地等」では評価額のうち330㎡までの部分について80%が減額されます。
自宅の敷地は300㎡(≦330㎡)なので、単純に評価額の80%が減額されることになります。

 減額分:5,000万円×80%=4,000万円
 相続税の課税価格に算入される額:5,000万円-4,000万円=1,000万円

したがって、①4,800、②4,500、③1,000 となる[3]の組合せが適切です。