FP3級 2021年9月 実技(FP協会:資産設計)問11

問11

会社員の浅見守さんが2023年中に支払った医療費等が下記<資料>のとおりである場合、守さんの2023年分の所得税の確定申告における医療費控除の金額として、正しいものはどれか。なお、守さんの2023年分の所得は給与所得700万円のみであり、支払った医療費等はすべて守さんおよび生計を一にする妻のために支払ったものである。また、医療費控除の金額が最も大きくなるよう計算することとし、「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」は考慮しないこととする。
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  1. 93,000円
  2. 173,000円
  3. 193,000円

正解 1

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:5.所得控除

解説

各医療費ごとに医療費控除の対象となるか否かを判断します。

【人間ドック代】
人間ドック等の健康診断等の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断が診察と同様と捉えられるので医療費控除の対象となります。
本問では、「(※) 人間ドックの結果、重大な疾病が発見され同年2月より治療のため入院した。」とあるため、医療費控除の対象になります。

【入院費用】
医師による診療等を受けるために要した入院費用は医療費控除の対象となります。ただし、入院費用のうち本人や家族の都合による差額ベッドの料金は医療費控除の対象外です。

【健康増進のためのビタミン剤の購入代金】
治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価は医療費控除の対象となりますが、ビタミン剤など健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は対象外です。

【風邪のため市販の風邪薬の購入代】
治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価は医療費控除の対象となります。

したがって、医療費控除の対象となる医療費の総額は「50,000+220,000円+3,000円=273,000円」です。

医療費控除の金額は以下の式で計算します。
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本問では、入院費用について医療保険から8万円の給付を受けているため、これを「保険金等で補填される金額」として差し引く必要があります。よって、医療費控除の金額は以下の計算で求めることができます。

 273,000円-80,000円-100,000円=93,000円

以上より[1]が正解です。