FP3級 2021年9月 実技(FP協会:資産設計)問5

問5

金投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、金の取引は継続的な売買でないものとする。
  1. 個人が金地金を売却した場合の所得については、所得税の計算上、雑所得として課税対象となる。
  2. 金地金の売買において、海外の金価格(米ドル建て)が一定の場合、円高(米ドル/円相場)は国内金価格の下落要因となる。
  3. 金地金は、一般的に国際情勢の変化等に対して強いと考えられている資産である。

正解 1

分野

科目:C.金融資産運用
細目:2.預貯金・金融類似商品

解説

  1. [不適切]。原則として個人が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得(総合課税)になります。ただし、個人であっても事業として営利目的で行っている場合には事業所得または雑所得になります。問題文に「継続的な売買でない」という条件があるので譲渡所得と判断することになります。
  2. 適切。国際金価格は米ドル建ての相場になっていて、国内金価格はそれを基準に設定されています。1グラム50米ドルだったとして、1米ドル100円のときは国内金価格は1グラム5,000円ですが、円高に振れて1米ドル90円になると円換算で4,500円に下落することになります。
  3. 適切。金地金は現物としての価値があり、現金や株式および債権のように紙切れになってしまうおそれがないため、国際情勢の変化に強いとされています。実際に国際情勢が不安定になると「有事の金」として金投資が進み、金地金の価格も上昇する傾向があります。
したがって不適切な記述は[1]です。