FP3級 2021年5月 実技(金財:個人)問13
問13
Aさんの相続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 「遺言により妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、二女Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が3億円である場合、二女Dさんの遺留分の金額は7,500万円となります」
- 「死亡保険金を活用した代償分割の方法を考えた場合、契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさん、死亡保険金受取人を長女Cさんとする終身保険に加入することも検討事項の1つとなります」
- 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、公正証書遺言の作成をお勧めします。公正証書遺言は証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成します」
広告
正解 1
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- [不適切]。7,500万円ではありません。遺留分の全体額は、法定相続人の組合せによって次のように定められています。各人の遺留分は、この額に各人の法定相続分を乗じて求めます。配偶者と子が法定相続人となるので、二女Dさんの法定相続分は「1/2×1/2=1/4」、遺留分算定の基礎財産が3億円なので、遺留分全体の金額は「3億円×1/2=1億5,000万円」、二女Dさんの遺留分は「1億5,000万円×1/4=3,750万円」です。
- 適切。長女Cさんと二女Dさんとの間で争いを防ぐための方法の一つとして代償分割があります。長女Cさんが賃貸ビルを相続してもらい、二女DさんにはCさんから現金などの代替となる財産を交付する方法です。代償分割では代償金支払いのための原資が必要となりますので、Cさんを受取人とする終身保険に加入することは代償金の確保策として有効です。
- 適切。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下、遺言者が口述した内容を公証人が筆記することで作成され、原本が公証役場に保管されます。公証人には、元裁判官や元検察官法務省職員などが任命されていますので、法律に則った遺言を残せます。
広告