FP3級 2017年9月 実技(金財:個人)問10

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問10

Aさんは、甲マンションの購入を検討するにあたり、マンションには「建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」という)」が適用されることを知った。区分所有法に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
 区分所有法では、区分所有権の目的たる建物の部分を()といい、区分所有権を有する区分所有者は、全員で、建物ならびにその敷地および附属施設の管理を行うための団体を構成し、集会を開き、規約を定め、および管理者を置くことができるとされている。また、区分所有法では、災害などで区分所有建物の一部が滅失した場合の復旧の手続や、建替えに関しても規定されている。
 規定によれば、建物の価格の2分の1超に相当する部分が滅失(大規模滅失)したときは、集会において、区分所有者および議決権の各()以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができるとされている。また、集会において、区分所有者および議決権の各()以上の多数で、区分所有建物の建替え決議をすることができるとされている。
  1. ① 専有部分 ② 2分の1 ③ 4分の3
  2. ① 専有部分 ② 4分の3 ③ 5分の4
  3. ① 共用部分 ② 2分の1 ③ 5分の4

正解 2

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
区分所有建物(マンション)は、大きく二つの部分に分けられます。
共用部分
特定の入居者だけの使用ではなく、区分所有建物の入居者全員が使うことのできる場所。
例)エントランス部分やエレベーターホール、廊下、階段など
専有部分
入居者の居住スペースのこと
区分所有法2条3項では以下のように用語を定義しています。
この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。したがって①には専有部分が入ります。

〔②について〕
建物の価格の2分の1を超える部分が滅失(大規模滅失)したときは、集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決で、復旧する旨の決議が可能です。

〔③について〕
大規模滅失よりも、もっと大掛かりな「建て替え決議」の場合は、集会における区分所有者及び議決権の各5分の4の賛成が必要です。
ちなみに、区分所有法で覚えるべき数字のなかで、5分の4というのは、この建替え決議の際しかでてきません。必ず覚えましょう。
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以上より、①専有部分、②4分の3、③5分の4 となる[2]が正解です。