FP3級 2017年5月 実技(金財:個人)問14

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問14

Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 妻BさんがAさんから贈与を受けた財産については、贈与時の価額から贈与税の配偶者控除の適用を受けた金額(特定贈与財産の額)を控除した価額によって、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算する。
  2. 長男CさんがAさんから贈与を受けた現金200万円については、相続税の課税価格に加算される。
  3. 長女Dさんが相続時精算課税制度の適用を受けて贈与された財産は、Aさんの相続に係る相続税の計算において、相続開始時の価額によって相続税の課税価格に加算する。

正解 1

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

  1. [適切]。相続や遺贈により財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前7年以内に贈与を受けた財産があるときには、その贈与財産の贈与時の価額を相続税の課税価格に加算します。この制度を「生前贈与加算」といいます。
    Aさんの死亡日は2024年3月6日、妻Bさんの受贈日は2023年5月ですので、受贈した家屋および敷地の価額は相続税の課税価格に加算される対象となります。
    「贈与税の配偶者控除」とは、配偶者から居住用財産または居住用財産の購入資金の贈与を受けた場合に、基礎控除とは別に2,000万円までは贈与税が課されない制度です。受贈時に「贈与税の配偶者控除」が適用された財産については、「贈与税の配偶者控除」適用後(最大で2,000万円を控除した後)の価額を相続税の課税価格に算入します。
  2. 不適切。長男Cさんは、2016年10月に現金200万円の贈与を受けており、暦年課税として申告しています。相続税の課税価格には相続開始前7年以内の贈与財産も含みますが、Cさんへの贈与が行われたのは8年前なので、生前贈与加算の対象ではありません。
  3. 不適切。相続開始時の価額ではありません。長女Dさんは、贈与を受けた時に相続時精算課税制度の適用を受けています。この制度の適用を受けた後に受贈した財産は、受贈時期が相続開始前7年以内かどうかにかかわらず贈与時の価額を相続税の課税価格に加算しなければなりません。
したがって適切な記述は[1]です。