FP3級 2017年1月 実技(金財:個人)問10

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問10

《設例》の〈建築を検討している賃貸アパートの概要〉に基づいてAさんが賃貸アパートを建築し、賃貸する場合の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
  1. Aさんが、この計画どおりに賃貸アパートを建築した場合、新築住宅に関する「不動産取得税の課税標準の特例の適用」を受けることができない。
  2. Aさんが賃借人と普通借家契約を締結した場合、Aさんからの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。
  3. Aさんが賃借人と定期借家契約を締結する場合、建物の賃貸借の期間は1年以上としなければならない。

正解 3

分野

科目:E.不動産
細目:2.不動産の取引

解説

  1. 適切。不動産取得税の課税標準の特例とは、床面積が50㎡(戸建以外の貸家は1戸当たり40㎡)以上240㎡以下の新築住宅を取得した場合に、1戸につき1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を不動産取得税の課税標準から控除することができるというものです。
    本特例は賃貸用住宅でも適用を受けることができます。しかし、<設例>を見ると、Aさんが建築する賃貸アパートは1戸当たりの床面積が40㎡未満のため、本特例の適用を受けることはできません。
  2. 適切。Aさんは「貸す側」ですので、大家さん(賃貸人)ということになります。普通借家契約において、貸す側の賃貸人から借家契約の更新拒絶をする場合、必ず正当事由が必要です。これは期間の定めのある契約でも、期間の定めのない契約でも同様です。
    具体的には、①建物の使用を必要とする事情、②従前の賃貸借契約の経過状況、③建物の利用状況や現況、④立退料の交付の有無などの事情を考慮して正当事由であるかどうか判断されます。
  3. [不適切]。定期建物賃貸借(定期借家契約)では存続期間に上限も下限もありません。よって、1年未満の契約期間も認められます。
    ちなみに、普通借家契約の場合には存続期間が1年以上と定められていますので、1年未満の契約期間を設定した場合には「期間の定めがない建物賃貸借」とみなされます。
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したがって不適切な記述は[3]です。