FP3級 2016年1月 実技(金財:個人)問7
問7
Aさんの2023年分の所得税の確定申告に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。- 給与所得者の給与から源泉徴収された所得税は、勤務先で行う年末調整によって精算されるため、その年分の所得が給与所得だけであれば、通常、給与所得者は所得税の確定申告は不要である。しかし、その年分の給与収入の金額が(①)を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、所得税の確定申告をしなければならない。
- Aさんの2023年分の給与収入の金額は900万円であり、(①)を超えていないが、Aさんは2023年中に生命保険の解約返戻金を受け取っており、この解約返戻金に係る所得金額が(②)を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければならない。なお、2023年分の所得税の確定申告書の提出期限は、原則として、2024年(③)である。
- ① 1,500万円 ② 10万円 ③ 3月15日
- ① 2,000万円 ② 20万円 ③ 3月15日
- ① 2,000万円 ② 10万円 ③ 3月31日
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正解 2
分野
科目:D.タックスプランニング細目:7.所得税の申告と納付
解説
給与所得のみの人は、原則的に勤務する企業で年末調整を受けることで確定申告が不要となりますが、たとえ給与所得のみであっても、以下に該当する場合には確定申告書の提出義務が生じます。
給与所得のみの人であっても、勤務先から支払われた給与・賞与等の合計額が年間2,000万円を超える人は、勤務先での年末調整が行われないため、自ら確定申告を行う必要があります。
〔②について〕
給与所得及び退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人は、確定申告を行う必要があります。
Aさんが受け取った生命保険の解約返戻金は「一時所得」に該当します。一時所得の金額(課税対象額)は「(600万円-500万円-50万円)×1/2=25万円」で20万円超となるため、確定申告が必要です。
〔③について〕
所得税の確定申告書は、所得があった翌年の2月16日から3月15日の間に、原則として納税者の住所地を管轄する税務署長に提出します。
以上より、①2,000万円、②20万円、③3月15日 となる[2]の組合せが適切です。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人(年末調整の対象外)
- 給与所得および退職所得以外を除く所得金額の合計額が20万円を超える人
- 2か所以上の会社から一定額の給与支払いを受けている人
- 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
給与所得のみの人であっても、勤務先から支払われた給与・賞与等の合計額が年間2,000万円を超える人は、勤務先での年末調整が行われないため、自ら確定申告を行う必要があります。
〔②について〕
給与所得及び退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人は、確定申告を行う必要があります。
Aさんが受け取った生命保険の解約返戻金は「一時所得」に該当します。一時所得の金額(課税対象額)は「(600万円-500万円-50万円)×1/2=25万円」で20万円超となるため、確定申告が必要です。
〔③について〕
所得税の確定申告書は、所得があった翌年の2月16日から3月15日の間に、原則として納税者の住所地を管轄する税務署長に提出します。
以上より、①2,000万円、②20万円、③3月15日 となる[2]の組合せが適切です。
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