FP3級 2023年9月 実技(金財:保険)問11

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問11

Aさんの2023年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 「Aさんは、2023年中に解約した一時払変額個人年金保険の解約差益が20万円を超えるため、所得税の確定申告をしなければなりません」
  2. 「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、38万円です」
  3. 「Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、63万円です」

正解 2

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:2.所得税の仕組み

解説

  1. 不適切。給与所得及び退職所得以外の所得の金額が20万円を超えた場合は、その年分については確定申告を行わなければなりません。
    一時所得については以下の式で計算した、総所得金額に算入される額が20万円を超えるかどうかで判断します。
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    Aさんの一時所得の金額は「440万円-400万円-50万円=▲10万円 ⇒ 0円」なので、総所得金額に算入される一時所得の金額も0円です。よって、Aさんは確定申告の義務者には該当しません。
  2. [適切]。配偶者控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が48万円以下、配偶者が事業専従者として給与支払いを受けていない、納税者の合計所得金額が1,000万円以下などの要件を満たす必要があります。妻Bさんはパート収入100万円がありますが、給与所得控除の最低額55万円を差し引いた後の所得金額は45万円なので、控除対象配偶者となります。
    配偶者控除の控除額は、納税者の合計所得金額と配偶者の年齢によって変わります。Aさんの合計所得金額は900万円以下、妻Bさん(45歳)は70歳未満なので、配偶者控除の額は38万円となります。
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  3. 不適切。控除対象扶養親族となるのは、生計を一にする配偶者ではない16歳以上の親族で、合計所得金額が48万円以下の人なので、Aさんの家族だと長女Cさんが扶養控除の対象となります。扶養控除の区分と控除額は以下のようになっています。17歳の長女Cさんは一般扶養親族に該当し、控除額は38万円となります。
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したがって適切な記述は[2]です。