FP3級 2023年5月 実技(金財:個人)問15

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問15

現時点(2024年5月28日)において、Aさんの相続が開始した場合の相続税等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 「妻Bさんが自宅の敷地(相続税評価額6,000万円)を相続により取得し、当該敷地の全部について、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、減額される金額は4,800万円となります」
  2. 「『配偶者に対する相続税額の軽減』の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか多い金額を超えない限り、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません」
  3. 「遺言により妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、二女Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が2億円である場合、二女Dさんの遺留分の金額は5,000万円となります」

正解 3

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

  1. 適切。被相続人が死亡時に住んでいた自宅の敷地は、特定居住用宅地等として330㎡までの部分の相続税評価額が80%減額されます。設例を見ると、自宅敷地は200㎡なので全部が減額対象となります。自宅敷地の評価額6,000万円のうち80%相当が減額されるので、減額される額は「6,000万円×80%=4,800万円」です。
  2. 適切。被相続人の配偶者が相続・遺贈により取得した財産は、1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い額までは相続税額がゼロになります。この制度を「配偶者に対する相続税額の軽減」といいます。
  3. [不適切]。各人の遺留分は、遺留分全体の額に各人の法定相続分を乗じて求めます。配偶者と子が法定相続人になる場合、遺留分全体の額は遺留分算定基礎財産の2分の1なので「2億円×1/2=1億円」、二女Dさんの法定相続分は「1/2×1/2=1/4」ですから、遺留分の額は「1億円×1/4=2,500万円」です。
したがって不適切な記述は[3]です。