FP3級過去問題 2019年5月学科試験 問51

問51

土地の売買において、所有権の移転が発生したものの、登記申請に必要な書類が提出できないなどの手続上の要件が備わっていない場合、仮登記をすることができる。この仮登記をすることで、その後に行う本登記の順位は()、所有権の移転を第三者に対抗すること()。
  1. ① 保全され  ② ができる
  2. ① 保全されるが  ② はできない
  3. ① 保全されないが  ② はできる

正解 2

問題難易度
肢117.6%
肢274.7%
肢37.7%

解説

仮登記とは、登記申請に必要な書類が提出できないなど、本登記を行うための手続き的な要件が揃っていない場合に認められている不動産登記の方法です。後日、仮登記を本登記にすることによって、仮登記時点に遡って本登記がなされたことになります。不動産の権利を第三者に対抗するには登記が必要ですので、もしも誰かに先に登記されてしまえば不動産を取得することができなくなってしまいます。このようなとき仮登記をしておけば、本登記の順位を保全することができます。

物権変動がまだ生じてない場合や、登記申請に必要な書類が揃わない場合には仮登記をすることにより、本登記の順位を確保できる順位保全の効力があります。ただし、仮登記自体に対抗力はないため、仮登記を拠り所にして第三者に当該権利を主張することはできません。

したがって、①保全され、②はできない の組合せが適切です。