FP3級 2019年1月 実技(FP協会:資産設計)問15

問15

下記<資料>の宅地の借地権(普通借地権)について、路線価方式による相続税評価額として、正しいものはどれか。なお、奥行価格補正率は1.0とし、記載のない条件については一切考慮しないこととする。
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  1. 150千円×1.0×360㎡×(1-60%)=21,600千円
  2. 150千円×1.0×360㎡×60%=32,400千円
  3. 150千円×1.0×360㎡=54,000千円

正解 2

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:6.相続財産の評価(不動産)

解説

路線価方式とは、道路ごとに付された1㎡当たりの標準的な価格を基準に、宅地の形状等による補正を加えた価格によって評価する方式です。1つの道路のみに面している土地の、路線価方式による相続税評価額を求める計算式は次の通りです。

 路線価×奥行価格補正率×地積
 ※地積とは土地の面積です。

まず、路線化方式によって対象地の自用地としての評価額を算定することになります。道路に記されている"150D"とは、当該道路に面する土地の1㎡当たりの価格が150千円であり、借地権割合が60%であることを示しています。対象地の面積は360㎡、奥行価格補正率は1.0ですので、自用地としての評価額は、

 150千円×1.0×360㎡=54,000千円 … ①

となります。

続いて、当該土地に設定されている借地権の相続税評価額について計算します。借地権の評価額は、自用地価額を基準として次のように算出します。
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前述したように、対象地の借地権割合は"D"→60%ですから、借地権の評価額は、

 54,000千円×60%=32,400千円 … ②

となります。

したがって、①と②の式を1つにまとめた[2]の式が正解です。

なお、[1]は貸宅地、[3]は自用地としての相続税評価額を算出する式です。