FP3級 2023年5月 実技(FP協会:資産設計)問1

問1

ファイナンシャル・プランニング業務を行うに当たっては、関連業法を順守することが重要である。ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の行為に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 税理士資格を有していないFPが、無料の相続相談会において、相談者の持参した資料に基づき、相談者が納付すべき相続税額を計算した。
  2. 社会保険労務士資格を有していないFPが、顧客の「ねんきん定期便」等の資料を参考に、公的年金の受給見込み額を試算した。
  3. 投資助言・代理業の登録を受けていないFPが、顧客が保有する投資信託の運用報告書に基づき、その記載内容について説明した。

正解 1

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:2.ファイナンシャル・プランニングと関連法規

解説

  1. [不適切]。税務書類の作成、税務代理、個別具体的な計算を含む税務相談は、税理士の独占業務です。これらは有償・無償にかかわらず税理士ではないFPが取り扱うことができません。記述は、個別具体的な税額計算を行っているので税理士法に違反する行為となります。
  2. 適切。FP試験でも年金受給額についての計算問題が出ているように、公的年金の受給見込み額の計算を行うことは誰でもできます。
    社労士の独占業務は、有償で「労働社会保険諸法令に基づく書類等の作成及び提出」を行うことです。これらは社労士資格を持たないFPが取り扱うことはできません。
  3. 適切。運用報告書の記載内容を顧客に説明することは、投資助言・代理業に当たらないので、登録を受けていないFPが行っても問題ありません。
    投資助言業は、有償の投資顧問契約に基づき、顧客に対して有価証券や金融商品の価値等に関して助言を行うこと、投資代理業は、投資顧問契約・投資一任契約の締結の代理・媒介を行うことです。これらを業として行うには、金融商品取引法に基づき、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。
したがって不適切な記述は[1]です。